その英語、失礼かも
日本人がやりがちなNG英語50選
この記事について
「それ、失礼ですよ」とは誰も教えてくれません。文法は正しい。意味も通じる。それでも相手の表情が少し曇る——そんな英語を50個集めて、ネイティブの言い方に置き換えました。
ただの言い換え集ではありません。なぜ失礼に聞こえるのかという理由まで書いてあります。理由が分かれば、ここに無い場面でも応用できます。
第1章 命令文になってしまう
「〜してください」の罠
日本語の「〜してください」は丁寧語です。ところが、そのまま英語にすると、ほぼ全部が命令文になります。
NGSend me the file.
please を付けても命令文。直訳の最大の罠
OKCould you send me the file?
疑問文にするだけで「依頼」に変わる
NGPlease wait.
please 付きでも命令文。ぶっきらぼうな響き
OKCould you give me a moment?
相手に許可を求める形にする
NGYou must submit it today.
must は強制。上司が使っても強すぎる
OKYou'll need to submit it today.
need to なら「必要がある」という事実の説明
NGPlease understand.
命令形で「理解しろ」。和製英語の代表格
OKThank you for your understanding.
英語では先に感謝を伝えてしまう
NGPlease confirm.
契約書や督促状で使う硬さ
OKCould you take a look when you get a chance?
「手が空いたときに」で相手の時間を尊重
NGSit down.
犬への指示に聞こえる
OKPlease have a seat.
have a seat が来客対応の標準
NGPlease kindly reply.
please と kindly の二重敬語。かえって高圧的
OKCould you please reply by Friday?
kindly は不要。期限を添えるほうが親切
第2章 詰問・全否定に聞こえる
会議が凍る一言
短く言い切る英語は、悪気がなくても「問い詰めている」ように届きます。特に、人を主語にした否定は危険です。
NGDo you understand?
「理解できる頭ある?」相手の能力を疑う
OKDoes that make sense?
主語を that にして「私の説明」を点検する形に
NGWhat?
日本語の「は?」に相当。事故率No.1
OKSorry?
上げ調子の Sorry 一語で足りる
NGWhy?
単発の Why は詰問・非難に聞こえる
OKWhat's the thinking behind that?
理由ではなく「考え」を尋ねる
NGNo.
会話をそこで切ってしまう
OKNot quite.
「少し違う」と幅を残す
NGYou are wrong.
人を主語にした全否定。会議が凍る
OKI see it a bit differently.
「私の見え方」として提示する
NGIt's impossible.
検討すらしていない響き
OKThat would be tough on this timeline.
何が厳しいのかを添えると交渉が続く
NGWhy didn't you finish it?
原因ではなく「人」を責めている
OKWhat got in the way?
障害のほうを主語にする
NGYou made a mistake.
人を主語にすると人格攻撃に近づく
OKThere seems to be an error in the numbers.
物を主語にして seem でぼかす
NGAs I said before, the deadline is Friday.
「何回言わせるの」という嫌味
OKJust to recap, the deadline is Friday.
繰り返しを自分の都合として提示する
NGCalm down.
火に油。英語圏で最も逆効果な一言
OKLet's take a step back.
相手ではなく状況に働きかける
第3章 冷たい・やる気がないと誤解される
一言足りないだけで損をする
文法は正しい。意味も通じる。それでも「感じが悪い」と思われるのは、ひとこと足りないからです。
NGI can't do it.
取りつく島もない全面拒否
OKThat might be difficult.
might でワンクッション置く
NGI think so.
「まあ、たぶんね」— 気のない相づち
OKI completely agree.
agree で賛成をはっきり示す
NGI don't care.
「どうでもいい」=無関心・投げやり
OKEither works for me.
「どちらでも大丈夫」と協力的に
NGI know.
「そんなの知ってる」と話を遮る
OKRight, I've seen that.
受け止めてから情報を返す
NGI'm busy.
相手の用件を軽んじている
OKI'm tied up right now. Can I get back to you at three?
代案の時間を必ず添える
NGOf course.
場面により「そんなの当たり前でしょ」
OKCertainly.
依頼への快諾は Certainly が安全
NGNever mind.
「もういい」=突き放し
OKDon't worry about it.
相手を安心させる言い方
NGI have no idea.
調べる気がゼロに聞こえる
OKI'm not sure. Let me find out.
次の行動をセットにする
NGIt's not my job.
責任放棄・たらい回し
OKThat's handled by the sales team. Let me connect you.
つなぐところまで引き受ける
NGMaybe.
連発すると「決められない人」
OKMost likely.
確度を上げて言い切る
NGObviously, the market is shrinking.
「言わなくてもわかるだろ」
OKAs you know, the market is shrinking.
相手を立てる前置きにする
第4章 曖昧さが事故になる
日本語の察してもらう文化が通じない
ここからが本題です。今までは「言い方」の問題でした。この章は、意味が逆に伝わって実害が出るものだけを集めています。
NGYes.
同意と受け取られる。契約事故の定番
OKI see.
「聞いている」と「同意」を分ける
NGIt's difficult.
英語では「大変だが、やる」= YES
OKI'm afraid that won't work.
断るときは、はっきり否定する
NGI'll consider it.
「やる」と受け取られ、後で揉める
OKLet me think it over and get back to you by Thursday.
回答の期限を必ず添える
NGI'm fine.
「結構です」か「元気です」か伝わらない
OKI'm all set, thanks.
要る・要らないをはっきりさせる
NGLet's discuss it later.
社交辞令=やる気がないと同義
OKCan we grab fifteen minutes on Thursday?
日時を出して初めて約束になる
第5章 丁寧にしたつもりが逆効果
気遣いが空回りする言い方
丁寧にしようとして足した一言が、英語では逆に距離を作ったり、圧をかけたりすることがあります。
NGI want to ask you something.
子どもの要求のように響く
OKI'd like to ask you something.
would like が大人の言い方
NGYou should do it.
should は「そうすべき」— 上から目線
OKYou might want to do it.
相手に決定権を残す
NGPlease send it ASAP.
上司から部下への催促の響き
OKCould you send it by Friday?
期限を数字で示すほうが親切
NGAre you free now?
free は「暇?」。予定がない前提
OKDo you have a moment?
「一瞬いいですか」なら断りやすい
NGSorry. Sorry about that. Sorry.
謝りすぎは自信のなさに見える
OKThank you for waiting.
謝罪を感謝に置き換える
NGAnyway, about the budget.
「その話はもういいから」
OKComing back to the budget,
戻る先を明示する
NGTo be honest, ~
「普段は正直でないのか」と勘ぐられる
OKThe way I see it, ~
前置きを外して意見だけ言う
NGWith all due respect, ~
「今から攻撃します」の合図
OKI may be missing something, but ~
非を自分の側に置く前置きにする
NGI'm sorry for my poor English.
自己卑下は信頼を下げるだけ
OKThanks for bearing with me.
謝らず、感謝に変える
第6章 その一言が地雷
話題選びと呼びかけ
最後は、フレーズというより「聞いてはいけないこと」。日本では雑談でも、英語圏では一発で距離を置かれます。
NGWho are you?
「誰だお前」。電話対応の事故
OKMay I ask who's calling?
電話では calling を使う
NGWhat do you want?
「何の用だ」
OKHow can I help you?
助ける姿勢を主語にする
NGDo you know Salesforce?
「知らないでしょ?」と試す響き
OKAre you familiar with Salesforce?
familiar なら知識量を問わない
NGYou look tired.
「顔色が悪い」=失礼
OKHow's your week going?
見た目に触れず近況を聞く
NGHow old are you?
年齢・既婚・子ども・体型は職場ではNG
OKWhat got you into this field?
経歴の話に切り替える
第7章 メール英語編
テンプレートのまま使うと古い
最後に、メールで特にやりがちなものを3つ。教科書に載っている定型文ほど、実は古びています。
NGNoted.
単独だとそっけない・不機嫌に見える
OKNoted, thanks!
一語添えるだけで印象が変わる
NGPlease advise.
命令的で古い定型文
OKLet me know what you think.
相手に判断を委ねる自然な言い方
NGDear Sir or Madam,
冷たく機械的。迷惑メール判定も上がる
OKHello Ms. Tanaka,
名前を調べて書くのが最低条件